何時ぞやの黄昏時
- silentiumsonus
- 2017年6月9日
- 読了時間: 1分
いつからだっただろう、僕が水を自由に出せるようになったのは。 「他人には出来ない」「自分しか出来る人がいない」という事にとてもすごく嬉しかったし楽しかった。 でも周りはそれを気味悪がるようになっていって、僕を避けるようになった。 1人になったけど、それでもこの水の力で1人でも遊ぶことは出来たから特に寂しくはなかったと思う。 ある日、夕焼けを眺めながら自分の水で遊んでいたら、“がくん”と落ちる感じがした。 気がつくと、目の前には自分よりも背の高い、かなりデブなネズミが僕を見て笑っていた。
どうして私はこんななんだろう。炎を出せる力なんて要らない。 初めて自分自身から火を出した時は、自分でもとても怖かった。 絶対他の人には見せられないと思って、周りを避けながら過ごしていた。 なのに、ふとした弾みで力が出てしまい、周りの人を傷つけた。 その場から逃げた。夕焼けの中、泣きながらただひたすら走って。そうしたら“がくん”と落ちる感じがした。 気がつくと、目の前には自分より背の高い、ちょっと太ったネズミが私を見て笑っていた。
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